本学では、以下のとおりオープンアクセス方針を定め、教育研究成果物を無償公開することとしています。
方針各条末尾の「▼実施要領▼」を押下すると、対応するオープンアクセス方針実施要項の条項が表示されます。
埼玉大学オープンアクセス方針
令和6年10月17日
教育研究評議会承認
(趣旨)
1 埼玉大学(以下「本学」という。)は、本学に在籍する役員及び教職員(以下「教職員」という。)によって作成された教育研究成果(以下「成果物」という。)を学内外に無償で公開することにより、人類が抱える世界的諸課題に学術成果を還元し、もって国際社会に貢献するため、オープンアクセスに関する方針を以下のとおり定める。
1-1 オープンアクセス(以下「OA」という。)とは、インターネット上で学術情報(学術雑誌論文、会議発表論文等)を公開し、誰でも無料で時間や場所の制約無くアクセスし、閲覧可能にすることです。
1-2 OAは著者にとっても以下のようなメリットがあると考えられます。
➀ インターネット上で無料公開することで、研究成果の可視性が高まり、論文が引用される可能性が高まります。
➁ 成果物を社会に還元し、活用を促進することに繋がります。
1-3 OAの手段は、大別して以下の2 種類があります。
➀ グリーンOA
無料でアクセスできるサイトに、出版社が定めた期間の経過後に出版社が認めた原稿(論文の著者最終稿やプレプリント等)を登録する (セルフ・アーカイブする)方法です。著者が所属する大学等の機関が運用するサーバ(機関リポジトリ)が論文の登載先の例として挙げられます。本学の機関リポジトリは埼玉大学学術情報リポジトリSUCRA(以下「リポジトリ」という。)です。
➁ ゴールドOA
出版された論文に誰もが無料でアクセスできるように公開する方法です。例えば、著者側がAPC (Article Processing Charge: 論文出版料)を負担し、OAジャーナルへ投稿する方法があります。これまで購読料として読者側が負担していた学術ジャーナルの出版費を、著者側が代わりに支払うことで、OA化された論文へのアクセスを可能にするという仕組みです。
1-4 「役員及び教職員」の範囲
➀ 本方針の対象者は、埼玉大学に在籍する常勤の役員及び教職員とします。
➁ 非常勤講師(本務先のない場合)、有期雇用者、名誉教授、大学院生についても、リポジトリに学術論文等を登録し、オープンアクセスで公開することができます。
1-5 離職した教職員の成果物の取扱い
本学に在籍する教員が退職や他機関に異動した後も、在籍時に発表しリポジトリに登録した成果物は、引き続き保存・公開されます。
1-6 埼玉大学基本方針(抜粋)
1 埼玉大学は国際社会に貢献する。
(2)人類が抱える世界的諸課題に学術成果を還元する。
(成果物公開の権限)
2 本学は、本学に在籍する教職員の成果物で、出版社、学協会、大学等が発行した学術雑誌に掲載されたものを、埼玉大学学術情報リポジトリSUCRA(以下「リポジトリ」という。)、または、その他当該成果物の著者が選択する方法によって公開する。
ただし、成果物の著作権は本学に移転しない。
2-1 本方針の対象者は、1-4➀で定義した者とします。
2-2 「成果物」の範囲
本方針によりオープンアクセスの対象となる成果物は、査読付き学術論文(電子ジャーナルに掲載された査読済の研究論文(著者最終稿を含む))及び根拠データ(掲載電子ジャーナルの執筆要領、出版規程等において、透明性や再現性確保の観点から必要とされ、公表が求められる研究データ)とします。
また、上記以外のもの(紀要論文、研究報告書、図書、学術雑誌記事、教材等)も著者が希望すればリポジトリで公開することができます。
2-3 「その他当該成果物の著者が選択する方法」とは、以下の様な方法があります。
➀ 著者が開設しているweb サイトでの公開。
➁ オープンアクセスジャーナルへの投稿による公開(ゴールドOA)。
➂ 外部リポジトリでの公開。
2-4 リポジトリへの登録にあたり、成果物の著作権が本学に移転することはありません。登録前の著作権者が著作権を保持し続けます。
(適用の例外)
3 著作権等のやむを得ない理由によりリポジトリでの成果物の公開が不適切であるとの申し出が教職員よりあった場合若しくは教職員からの申し出の有無にかかわらず本学が公開不適切と判断した場合、本学は当該成果物を公開しない。
3-1 「公開が不適切である場合」とは以下のようなことが考えられます。
➀ 著作権を出版社、学協会等に譲渡しており、著者最終稿を含むあらゆる版の公開が許諾されない場合。
➁ 共著者全員の許諾が得られない場合。
3-2 適用の例外として、教職員からの申し出の有無にかかわらず本学が公開不適切と判断し、当該成果物を公開しないケースとしては、以下のような場合があります。
➀ 個人情報やプライバシーに関する内容が含まれ、インターネット上での公開が不適切な場合。
➁ 捏造、改ざん、盗用、剽窃等、研究活動において不正行為があった場合。
➂ その他、本学図書館長が公開を不適切と判断した場合。
(適用の不遡及)
4 本方針施行以前に出版された成果物や、本方針施行以前に本方針と相反する契約を締結した成果物については、本方針は適用されない。
4-1 本方針は、実施日(令和6年10月17日)以降に出版された成果物に適用されます。ただし、過去の成果物についても可能な範囲でリポジトリへの登録を推奨します。
(電子データ提出とリポジトリへの登録)
5 教職員がリポジトリで成果物を公開する場合、出版者等によりリポジトリ登録が許諾されている適切な版を、共著者の同意を得た上で、可能な限りすみやかに本学に無償で提供する。リポジトリへの登録・公開、公開後の取扱等、リポジトリに関する事項は、「埼玉大学学術情報リポジトリ(SUCRA)運用指針」に基づき取り扱う。
5-1 埼玉大学学術情報リポジトリ(SUCRA)運用指針
「埼玉大学学術情報リポジトリ(SUCRA)運用指針」は以下に掲載しています。
https://sucra.repo.nii.ac.jp/page/56
5-2 提供方法
本学学術情報リポジトリSUCRA「成果物の登録方法」で案内しています。
https://sucra.repo.nii.ac.jp/page/31
なお、不明な点がある場合は、研究・連携推進部図書情報課SUCRA 担当にお問い合わせください。
E-Mail: sucra@gr.saitama-u.ac.jp
5-3 リポジトリ登録が許諾される適切な版
学術誌等掲載論文の機関リポジトリに登録できる成果物は、出版社等により許諾される版に限ります。多くの場合、著者最終稿(査読が反映されていますが、出版者による最終的なレイアウト調整がなされていない版)ですが、出版者版が許諾される場合、査読前の版でなければ許諾されない場合等もあります。出版者版に最も近い版をリポジトリ登録対象となる適切な版とします。
許諾されている版を判断できない、出版者版との相違等のため許諾されている版はリポジトリ公開にふさわしくない、等、登録対象について疑問のある場合は図書情報課SUCRA 担当にお問い合わせください。
5-4 著作権の確認
教職員より提供された成果物をもとに、図書館がリポジトリでの公開の可否や公開禁止期間(エンバーゴ)等の確認をします。また、出版者版のリポジトリでの公開が認められている場合は、図書情報課が出版者版を入手しリポジトリで公開します。なお、出版社との個別交渉は想定しておりませんが、投稿先のOA 要件確認等の相談には対応します。
5-5 ファイル形式
ご提供頂く電子ファイルの形式は原則PDF とします。PDF 以外の形式で提供された場合は、図書情報課で変換します。また紙媒体(冊子体)しか無い場合は図書情報課でスキャンしPDF 化します。
5-6 共著者の同意
共著者への同意確認は、著者自身が行ってください。論文執筆時に、あらかじめ共著者にリポジトリ登録の許諾を得ていただくことで、確認作業の煩雑化を防ぐことができます。なお、共著者の同意を文書等で提出する必要はありません。
(本学の責務)
6 本学は、国の定める方針により即時オープンアクセス義務化対象となる成果物の即時オープンアクセスを実施するための環境としてリポジトリを整備・運用するとともに、リポジトリによる即時公開が困難な場合における即時オープンアクセス実現について研究者を支援する責務を要する。
6-1 国の定める方針
「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」(統合イノベーション戦略推進会議令和6年2月16日決定)及び同方針の実施にあたっての具体的方策(令和6年2月21日関係府省申し合わせ)によります。
6-2 リポジトリの整備・運用
2及び5で述べた方法で研究成果を登録・公開できるよう、埼玉大学学術情報リポジトリ(SUCRA)を整備・運用し、円滑に登録できるよう研究者を支援するものです。
6-3 リポジトリによる即時公開が困難な場合
5-4で述べたように、多くの場合学術誌投稿論文の機関リポジトリ登録には公開禁止期間(エンバーゴ)が設定されていますので、例えば学術雑誌への掲載後、即時にリポジトリに成果物と根拠データを登録し、公開禁止期間中は非公開、公開禁止期間終了後に自動又は手動で公開することができます。
また本学は、電子ジャーナル購読契約に一定のオープンアクセス出版権を付与する「転換契約」の推進・維持等によりゴールドOAにおける研究者の負担軽減に努めます。
(その他)
7 本方針に定めるもののほか、本学におけるオープンアクセスに関し必要な事項は、関係者間で協議して定める。
本方針の実施に際し必要な事項は、この要領に定められています。なお、要領の内容は、今後、国の方針やオープンアクセス出版事情等の外的状況の変化や、学内関連部署等との調整により変更が必要とされる場合は、図書館会議で審議・決定の上、随時アップデートされます。
(実施日)
8 本方針は令和6年10月17日から実施する。
本方針は令和6年10月17日に策定され、令和6年10月17日から実施します。