官立浦和高等學校記念資料室の開設に当たりまして、ひと言ご挨拶申し上げます。
本日はご多忙のところ、このように多数のご来臨をいただきまして誠にありがとうございます。
本日、ここに官立浦和高等學校記念資料室を開室いたします。
この記念資料室の開設の機会を与えて下さった官立浦和高等學校同窓会の方々のご厚意とご尽力に対し深く感謝申し上げます。
官立浦和高等學校は大正10(1921)年、第20番目の官立高等學校として創設されましたが、東京帝大への進学者が第一高等學校と一、二を争う確固たる地位を築き、地域の敬愛と支援を一身に集め、昭和25(1950)閉校までの28年間、様々な分野で日本を担う多くの人材を世に送り出しました。
この官立浦和高等學校を母体として埼玉大学が設立され、創立60周年という記念すべき年に官立浦和高等學校同窓会から同窓会資料の寄贈を受け、この記念資料室を開設できましたことは、埼玉大学として大変喜ばしいことと感謝申し上げております。
本学は、平成16(2004)年4月から国立大学法人埼玉大学が設置する大学に生まれ変わりました。本年の開学60周年を機として、埼玉という地に立脚し多様な協働・連携にもとづく「リージョナルセンター」となるとともに、世界に発信できる「知」の創造を通して、知識基盤社会を支える高度な人材養成と学術研究の「ナショナルセンター」となることを目指しています。私たちは、持続可能な21世紀社会を創出するという、世界的課題に直面しています。埼玉大学は、埼玉の地に根をおろしながら、この課題に真正面から向き合い、取り組んでいきます。
このようなミッションを掲げる埼玉大学が今、大学教育、特に教養教育において、浦高教育の真髄を未来へ伝えていくことは大変意義深いことと存じております。
官立浦和高等學校同窓会の図書その他の寄贈品は保存・展示し、教育の資料として未来永劫伝えてまいります。ここに、埼玉大学は浦高のエートスをも引き継ぎ、浦高の貴重な「もの」とともに「たましい」も未来へ伝えていくことをお誓い申し上げ、ご挨拶といたします。
2009年10月23日 上井喜彦